第一回ベースコンテストの課題曲はこちらCarol Kayeさんの「Boogaloo」です。
なぜにこの曲?と聞かれることがありますがまず第一に「あまり知られてない」からですw。なぜなら「日の当たらないミュージシャンに活躍の場を」という目的があるからです。それはもちろん音楽的な才能のある人を指します。そしてその純粋な才能を判断するためでもあります。
仮に、ここで誰もが知っているようなベース。例えばポールマッカートニーさんの「GET BACK」を課題曲にしたらどうなるでしょうか。これは想像に難くないですが、きっとビートルズマニアのおじさま達が沢山応募してくるでしょう(おじさまがダメというのではありません僕もおじさんですしビートルズは大好きです。)
彼らがおじさんだからではなく、おじさんは昔から沢山弾いてきてるからです。課題曲を初めて受け取る人と若い頃からずっと弾いてきた人では同じ舞台に立っているとは言えませんよね。
そういう意味で当初コンテストの課題曲はあえて日本で超メジャーな有名曲は外すことにしています。
また、余りにも有名で熱狂的なファンがついているような音楽を課題曲にすると、きっとオリジナルへの想いが強すぎて、これは違うとか、やはり本物が一番だ。という声が多くなるからです。
「全ての芸術は真似から入る」と言われていますし、大いに本物を真似するべきだと思いますが、このプロジェクトは「モノマネ大会」がゴールではないからです。本人らしく弾いても(その人の個性が発揮されている状態)本物に似てないからといって否定的な批判が集中するのは避けたいです。
お恥ずかしいですが実は僕もCarol Kayeさんの事は知りませんでした。彼女を知ったきっかけは、いつか元Policeの Stingのことをウィキペディアで調べていた時の事でした。そこにはStingがCarol Kayeさんのベース教則本でベースを習ったと書いてあったのです。
Who is Carol Kaye??????
そこで早速YouTubeで彼女の音源を探しました。(それで見つかったのがこの音源です)
なんてノリのいいベースを弾く人なんだ、え?しかも女性なの‼︎って2度驚きました。彼女の演奏はうまいなんてもんじゃなく、もうベースが踊っているんですよね。聞いた瞬間に惚れてしまいました。
ところでベースといえば、最近のSNS等ではやたら「スラップ」が出てきますよね。あれには、正直うんざりしてませんか?
ショート動画でドンパチドンパチやられたら、それはもう音楽と言うよりは、大道芸にしか見えなくなってしまいます。(実は僕も若い時はドンパチやってる人でしたけどねすみません)。それとベースはやっぱり指弾きだろう。なんてことを通の間では話しますが、あえてピックで弾かれているこの曲を指引きの人たちが弾いたらどうなるのか、音楽的に興味深いからです。
このCarol Kayeさんをよく調べてみると、凄まじいキャリアをお持ちです。もうあのポップミュージックの神様、Quincy Jonesが最高のベーシストはCarol Kayeだと答えた位ですしね。
そしてさらに調べてみると、彼女は様々な世界的ヒット曲を演奏していて、この曲もか、この曲もか、と言うように、好きでよく聞いていた曲が1曲や2曲ではありませんでした。
こんなに凄い人なのに日本で全然名前が出てこないのは不思議でなりません。そしてこんなに活躍してきたベーシストが女性と言うところもすごいなと思ったわけです。(ベーシストに好きなベーシストを聞いたら、多分10年中10人は男性と答える人が多いでしょうからね。)
最後に冒頭に申しました通り「日の当たらないミュージシャンに活躍の場を」ですから、このように凄いんだけど、あまり知られてない人、しかも女性の演奏をフューチャーするのは、このプロジェクトにきっとふさわしいと思ったわけです。
また、この曲のベースを誰でも弾いてもらえるよう、かねてから相談に乗っていただいているベーシストの水野正敏先生にお願いした譜面&TAB譜の準備がありますので、正式発表時には無料でダウンロード公開する予定です。
それではまた!